北海道ではこれまでに約25万haにわたる暗きょ排水をはじめ、排水路の整備心土破砕などの排水性改善を行ってきました。
今後も排水対策は重要な課題として、整備した暗きょの長寿命化や新たに必要な農地・排水路等の整備手法や管理方法について検討しています。
近年、地球温暖化やゲリラ豪雨などの異常気象が頻発しており、農地においては排水機能の維持・向上が求められています。農地の排水対策として、平成11年ごろから導入している「疎水材型の暗きょ」については、施工後10年以上経過して農地の排水機能が低下していても、暗きょ自体の機能は維持している例の多いことが解っています。
このため、北海道では営農による農地の管理の啓発とともに、既存の暗きょを活かした効率的かつ経済的な「保全管理型」の整備を進めています。
また、新たに暗きょ排水を実施される方へは「集中管理孔」の設置を推奨しています。
「集中管理孔」は用水路と暗きょ排水を接続し、かんがい用水を洗浄水として注水することによって、暗きょ管の清掃を容易にするシステムです。
暗きょ末端の水閘(すいこう)を閉じることによって、「地下かんがい」の実施が可能となります。
※「暗渠排水(集中管理孔)を活用した地下かんがいシステム」の仕組みについては、
こちらをクリックすると詳細が見れます。
水田の区画を大きくする工事では、表土を最初に集めておき、心土をブルドーザーで整地した後に、集めた表土を戻すという「表土扱い工法」が主流でした。
この工法は、多くの実績がありますが、ブルドーザーなどの重機運転が長時間となり、多くの費用がかかります。
このため、従来のブルドーザーにかわり、レーザープラウとレーザーレベラーを利用した新工法「反転均平工法」の施工試験を平成10年ころから実施してきました。
「反転均平工法」では、表土と心土の反転や運土によって「費用」や「施工時間」を大幅に縮減することができました。
工法採用には、いくつかのほ場制約事項がありますが、北海道では工事費コスト低減の取組として「反転均平工法」の普及を進めていきます。