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石狩の分類: 産業・経済 > 商工業・企業立地・エネルギー

最終更新日:2013年9月26日(木)


太陽光発電普及セミナー講演


太陽光発電普及セミナー講演

太陽の恵みは誰のもの? 長野県飯田市の取り組み

赤れんがサンちゃん

  スライド資料一式(PDF)

 セミナー開催結果はこちらをクリック

 

はじめに

 みなさんこんにちは。
 ご紹介いただきました、おひさま進歩エネルギーの原と申します。
 
 長野県信州の飯田というところからやってまいりました。
 飯田といってもあまり、長野県というと、だいたいわかっていただけると思いますが南北に非常に長い県でございまして、飯田ってどこだろうっということでございますが、みなさまのイメージの中では長野県、信州というとせいぜい諏訪までかなと。
 飯田市は浜松市と隣接した地域でございまして、したがって比較的気候が太平洋側に近い、日照が多く得られる、そんな地域でございます。
 また地理的には非常に交通の便から言っても東京から公共交通機関ですと4時間以上、東京から札幌に来るよりも遠いところ、そういう地域でございます。
 そんなところ飯田市を中心にした南信州広域連合というのが形成されている訳ですが、そんな地域で取り組んでいること、それから経緯、成果、それからこれからどう考えていくのか、あるいは行政とどんなことをしているのか、そんな事を含めてご紹介させていただいて、少しでもお役に立てたらうれしいなと思います。

 まだまだ小さな、小さな取組です。
 太陽光でいっても約3M、3,000kw。
 いっぺんに5M、10M、15Mのものを設置するところができているわけですから、規模としては必ずしも大きくないのですが、その中に込められたいろんな思いであるとかそういったところを少しおわかりいただければなと、そういうふうに思います。

 

地産地消のエネルギーを目指したNPOの設立
  寄付により第一号おひさま発電所の完成!

スライド表紙
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(スライド表紙を指して)
 ここに書いてあるとおりです。
 再生可能エネルギーは誰のものですか?やっぱり地域のものでしょう、あるいは地域の人たちのものでしょう、ということがテーマであります。

(スライドP
 そもそも私たちが、母体になっているNPO法人が出来たのが2004年であります。
 2002年くらいから準備を始めて、翌々年立ち上げた。
 このNPOをなぜ立ち上げたかということなんですが、飯田市は環境文化都市という都市像を1996年に第4次基本計画で決めました。
 環境文化都市がキーワードということです。
 環境というものに取り組む都市は、どちらかというと環境問題に課題を持っていた都市、つまりは公害であるとかそういった、山梨さんであるとかいろんなところが取り組んでいたわけですが、飯田市は実はそういった問題を何も抱えていない、どちらかというと環境的にすばらしい地域である。
 そこがなぜ、環境と文化という二つの言葉をつなげた都市像をめざしたか、いつも質問されるんですが、未だにみんな答えが出ていない、いろいろ後付けの理屈は付けていってるんですが。
 ただ、すばらしい環境と固有の文化のある飯田市をもっともっといいところにしていこうという思いが込められているというふうに思います。

 環境文化都市をめざした飯田市は、当然のことながらいろんな施策を行っております。
ゴミの有料化ですとか、あるいは、太陽光発電の補助を国が始めると、同時に飯田市もあわせて補助を開始したり、あるいは、ソフト的には子供たちが環境問題を学ぶ場として、環境チェッカー制度、あるいは大人が一緒になって環境を考えようと環境アドバイザー制度などがあります。
 そんなことで行政としては進んでいった訳ですが、次に、市民でできることがあるか。
 環境文化都市に向かって市民が出来ることがあるだろうか、あるいは市民でないとできないことはあるんじゃないかということで、環境アドバイザーで一緒に学んだ人たち、あるいはその他の人たちと、自分たちがそういう取組をしていくNPOを作ろうということで出来たのが「南信州おひさま進歩」です。
 環境問題の一番のテーマはやはり地球温暖化防止というのが一番大きなテーマです。
 地球温暖化の原因と言われるのがやはりエネルギーのありかた、使い方にある。
 ですからそのNPOの目標はエネルギーの地産地消でした。当時は食の地産地消というのはよく言われていた訳ですが、エネルギーを地産地消して循環型社会を作っていこうというのはこのNPOの大きなテーマになりました。

南信州おひさま進歩




 

(スライド

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 それで取り組んだものがいくつかあるんですが、その一つがBDF(バイオディーゼル)です。これはもうみなさんご存じでしょうが、天ぷら油を再生してもう一回エネルギーとして使おうといった取組です。
 それからエネルギーの地産地消というのはやはり地域特性を活かすということではないかと私は思っています。
 地域特性を活かすということは、無い物ねだりをしないということ。あるものに気がつくということ。あるものを知ることにあると思います。
 飯田市では再生可能エネルギー、CO2を減らすということにおいて先ほど言ったように、太陽光発電に注目をしてきました。
 調べてみますとやはり飯田市は写真のように冬でも日照が得られる。しかも北海道とちょっと違うのは雪が少ない。よく降っても年に数回、量降って30センチくらい、あとはほとんど次の日には消えてしまうような降り方の程度のものです。

 

(スライド

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 そういう地域ですから日照が得られやすい。それから左の上のように、これは実は太陽光発電ではありません。いわゆる太陽熱温水器、熱利用です。
 これが昭和30年代半ば、東京オリンピック前のころから普及しはじめました。
 これはどちらかというとエネルギーというより生活の改善、農家の生活改善を農協が一生懸命取り組む中で一つ負荷を減らそう、農家さんの負荷を減らそうということで、太陽熱温水器が普及したという話が残っているんですが、こういったものが南信州では比較的広まっていました。
 そういったこともあって、飯田では太陽のエネルギーを利用するということは、比較的受け入れられやすかったということになるかと思います。

 

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 それで日照時間を調べてみますと、飯田は比較的長い日照時間があるということと、平均して150時間以上、6月を除くと月間150時間以上日照時間が得られる。
 合計でも2,140時間くらい去年はある。これが標準的な数字になるかと思います。
 逆に日本海側の金沢市さんとかですと1,500時間を切る日照時間。大きな差がある。
 逆に静岡市は2,300時間近くあるということになっています。
 ただ日射量でいうとちょっと違ってくる。
 これもいろんなデータがあるんですが、日照時間というのは日が出ている時間、太陽が出ている時間。太陽が出ていなくても明るいですよね、エネルギーがきている訳ですから、そのエネルギーの量がどうかということです。単純に言うと。
 実は長い日照時間の静岡市さんよりも南信州あるいは長野県中部、あるいは山梨県のあたりですね、日射量が多い。時間は短いけど、日射量は多い。この理由もよくわかりません私には。たぶん空気がきれいだとかいろんないい理由はあるんだろうとは思いますが、いずれにしてもそういう結果が出ています。
 全国的にみてもいろんなことがあるでしょうが、日射量って、ある程度得られるんだなというのがこれでわかります。
 ですから日本は太陽光発電の可能性としてはどこもあるのかなと。たださきほどもちょっとお話してたんですが、雪の問題。
 これは札幌市さんの気象庁のデータによりますと10月~3月くらいまでほとんど月間20数日積雪があるようなデータがでていましたから、ほとんど雪に覆われているということになりますと、その対策ということは結構大事なことではないかというのはあると思いますが、それは対策ですからみんなの知恵を絞れば出来ないことではないと私は思っています。
 もちろんコストの問題もありますからね。そこをどう克服するか、あるいはコストを削減する方法をどうするかいろいろあると思いますが、それも出来ると私は思っています。
 そういうことで、CO2を減らそうということで第1の市民共同発電所というのがNPOで行った大きな事業です。

 

(スライド
 私のことで言えば、CO2を減らそうと一生懸命がんばってやってるうちに脂肪を蓄えてしまってこんな風になってしまったわけですが(笑)、まあこの取組をする前からこうだったんですが、いずれにしても市民共同発電所これは寄付型です。会員やNPO、企業や市民から寄付を募ったりあるいは会費で太陽光発電を普及させていくものです。
 このときに設置させてもらったのが、市内の私立の保育園で明星保育園というところです。ここに3kw小規模ですね。家庭の電力をまかなうにも、少し不足する程度の太陽光発電です。これで168万円かかりました。設置させてもらいました。
 で、最初保育園に行ったときに、園長先生にお願いしたんですが、「いいことですね」とすごく言っていたんですが、「ちょっと相談してみないと・・」と半年くらい放っておかれたんです。
 半年くらいたって「わかりました。ぜひ付けていただいて一緒になって取り組んでいきたい」というお返事をいただきました。そのときでもまだ園長先生は「ところでここで電気つくって、お湯はどうやって使うんですか?」と言われて。
 「先生、お湯は出ません。太陽光発電はお湯は出ないんで、申し訳ありません」という話をした覚えがありますけれども、二人で笑ってましたけど。こんな設置をしました。

 もちろんこの太陽光発電が発電時CO2をほとんど出さない、目標を達成する、CO2を減らすというのはもちろん大事なことなんですが、たった3kwです。
 それよりももっと大事にしたかったのは、太陽光発電を通して、そこに通ってくる子供やあるいは家庭やあるいは家庭を取り巻く地域にどういうふうに地球温暖化防止の活動を広げていくか、このことが大事だというふうに思いました。
 それで可視化、見える化をしました。

 

(スライド
 で、子供たちにこの保育園では「おひさま発電所」という電気を作る設備があるんですよと言ってもふ~んと言うんですね。
 これがメーカーさんが当時作った発電表示なんです。
 今何ワット発電してますよ、あるいは累計で何キロワットアワー発電しましたよ、というものです。ついてます。
 しかし、これ当時の子供たちなんですが、子供たちは理解できない。数字は読むことは出来るけど、その数字が何を意味するかはあまり。
 ということで、可視化をするためのパネルを作りました。
 電気信号が通って、付いたり消えたりすると楽だなということで、パネルを作ってもらったメーカーに相談しました。
 そしたら、作ってあげてもいいですよと言ってくれました。ただ、いくらくらいですか?と聞いたら、100万近くかかるかもしれないと。それはパネルを増やした方がいいということで諦めました。
 で、当時飯田市の中で、すでにLEDの製品を開発する会社がありました。
 そこへ行って、悪いけどこういうものを作ってくれないかと言ったら、いいよ作ってやるよと。
 手作りです。本当に。で、いくらかかったかというと、3万円で出来ました。
 LEDの値段だけみたいですね。全光源はLEDですから。そしてここにスイッチが付いています。つまり手作業でつける。何を根拠につけるかというとこの数字です。

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 一日3回、朝と昼と夕方、お子さんたちが帰る時間。数字をみて、うちがここに数字を入れてあります、3kwですからMAXですと2,600位、2400~2600位発電していますから、その辺の数字を書いて、あとは順々に減らした数字を書いてあります。
 その数字をみて、いくつつけるかを保育園の先生にお願いするということです。
 保育園の先生に、その数字をみて、一日3回くらいつけてくださいとお願いしました。
 保育園の先生ですから、子供たちに「はい」と返事するように言ってますよね。ですから先生たちも、「はい」と返事をしてくれたけど、全然守ってくれない(笑)。それは無理だというんですね。
 保育園の先生は忙しい。これは主たる仕事ではありません。従たる仕事でもありません、その他の仕事ということですから、忘れる。
 ところが、子供たちが気がつく。つまりさっき言ったように、おひさまが外でがんばっているときは、この、「さんぽちゃん」というキャラクターなんですが、これがたくさんつくんですよ、ということはわかってる。
 これは理屈じゃなくて、ああ、そういうものかと思っている。
 天気のいい日はたくさんつくんだなぁ。じゃあ雨が降っている日は少ないんだな、と、わかる訳ですね。                           
 ところがですね、先生が忘れてしまうと、どういう現象が起きるかというと、子供たちが気づく訳ですね。今日みたいに天気が悪い日に5つもついてるとおかしいじゃんと。
 逆に天気がいい日に2つしか付いてない1つしかついてないと、また子供たちがおかしいじゃんと気がつきますね。
 で、先生を呼んで、「先生おかしい。なんで2個しかついておらんの?」とこう言う訳です。
 あるいは「何でこんなにたくさんついてるの」とこう言うわけです。
 すると先生が、あ、そうだ。○○ちゃんの言うとおりだなと言ってこれをつけたり消したりする。子供たちと近しい太陽光発電になる。
 併せて、保育園の先生と子供たちと「もったいない」を学ぶ学習会というんですかね、勉強をしました。
 水の出しっぱなしやめようなとか、電気のつけっぱなしやめようなとか、子供たちと一緒に学ぶと、そういうこともやりました。

 

(スライド

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 その結果が、こんな連絡帳にでてきます。これは当時の連絡帳です。
 子供たちが、それまでは帰ってすぐ電気をつけて部屋で遊んでたと。ところが最近は少し部屋が暗くなってもつけない。
 あるいはお父さんが飲んだくれて寝るんだか、テレビ見るんだか、飲むんだかわからん、私もよくやりましたけども(笑)、そんなときにはテレビを消してしまうとか、早く寝ろと子供が言うとか、あるいは歯磨きしているときに水を出しっぱなしで、よくやりますね? 私もよくやるんですが、水を出しっぱなしで歯磨きしてる、すると子供が下から手をのばして水道の蛇口を閉めてしまうと、そういうことが少しずつ家庭に広がっているというのが連絡帳にでているんですね。
 なかには風呂の電気を消しちゃえと言われ、どうしようとさんざん悩んで迷って、でもなんかあるだろうということで、ペットボトルにろうそくを立ててお風呂に入ったら、そしたらすごく癒しのお風呂ができましたよと、そんな報告もあったそうです。
 そうするとこの保育園ではお便りにしてくれるんです。月1回おひさまだよりというのを作ってくれるんです。
 そこに、こんなことがありますよと紹介してくれて、それが他の家庭に、つまり温暖化防止活動が広がっているということです。

 これはもちろんいいことですから、みなさんやってはくれる訳ですが、もう一つ気がつくことが必ず出てくるんですね。それもすぐには気がつきません。
 半年、一年もうすこしたってくると、あれっと気づくことがあるわけですね。
 コストが減るわけです。
 電気料や水道料が減るということになるわけです。つまり経済的にもその家庭に効果が出てくる訳です。
 これは特に家計簿をつけたりする、奥様が気が付くんですね。
 あっそうだ、この子供たちがやってくれていることは、うちの家計を助けてくれてる、そうなればしめたもんです。
 これは必ず家計の、昔で言えば大蔵省今でも家計の大蔵省、その人が気がつくともう黙っていられない。外でしゃべりたがる。
 うちでは子供とこんなことを一緒にやったら、少し電気料金や、ガス料金や水道料金に変化があって、そのお金を少し子供にお年玉を増やしてやったとか、こないだ回転寿司でみんなで食べてきたとかですね、そういう話が広がってくると、なんだそれ、うちでもちょっとやってみようかと、こういうふうにですね、広がっていくという効果も出てきています。

 

会社を設立、日本初の「おひさまファンド」の誕生へ

 ただですね、そうは言っても、寄付です。この168万円を作るにはですね、実は大変だったんです。
 で、いろんなことを考えました。単に寄付だけじゃなくってエコマネーとかそういったものを考えたんですけれども、なかなか妙案が。
 で、ふと考えたのが、地域のスーパーマーケット、地場のスーパーマーケットさんの商品券があったので、これをからませて、何か工夫出来ないかといって、やったんですね。
 スーパーさんに行って話をしたら、地域のためになるんであれば、うちの商品で使ってもらっていいですよ、と了解を得て、やったんですが、どっかがお金を出さなきゃいけないんですよね。
 結局それは、その商品券を利用する消費者が負担せざるを得ないということになって、これもなかなか広がらなかったということなんですけれども、会員の中の理事の方で、非常に理解してくれた人がいて、その人たちがそれぞれ一定の額をだしてくれたのが、この168万円が集まった。
 つまり、寄付はなかなか集まらないということですね。
 この地域(北海道)では北海道グリーンファンドさんというところが、グリーン電力というんですか、電力会社さんとうまくタイアップして、ワンコインの寄付、自分の電力料金に500円乗っけることで、その500円が自然エネルギーや省エネルギーあるいは地球温暖化防止のために役立つ、そんな取組をされていますが、そこはすごいなと。
 そんな仕組みを作り上げた、これはすごいなと私どもは思っています。あまり負担感がなくって、自然と貢献できるということになっているんですね。
 まあ、いずれにしても、寄付というのはなかなか集まらない。
 ただ、集まるときもあるんです。
 というのは、これはもうご存じの通り、震災で大変な被害にあった。それで世界中から寄付が集まった。それはその人たちの、少しでも役に立てれば、自分の今のお金が、という気持ちだと思うんですね。
 例としてどうか、正しいかどうかっていうのはあるんですが、つい最近新聞に出てました。
 私どもの地域でありました。自分の小さなお子さんがね、心臓病になった。この病気を治すには海外に行って移植を受けなければならない。あるいは日本の中でできるようになってきましたから、いずれにしても、多くのお金がいる。
 そうなると一家庭では負担しきれない。イタリアなどに行くには1億数千万のお金がどうしてもいるということでした。
 もちろん大きなお金を使って海外へ行って移植手術をするということ、そのこと自体の是非論というのはあると思います。あると思いますが、しかしその子供の親御さんや家族にとったら、この小さな命をなんとしても救いたい、こう思うのは当然だと思います。
 私も思います。2年前に私も、孫が、初孫が出来て、ほんとうにかわいいです。その孫がもしそうなったら、あらゆる手をつくしてこの子の命を助けてやりたい。これ当然だと思います。
 そのために寄付を呼びかけた。そうすると飯田市の、小さな10万都市ですけれども、もちろん飯田以外の人もいらっしゃるんですが、1億数千万円というお金が半年ほどで集まるんですね。これなぜか。
 やっぱり自分のお金が役立つことが明確にわかるからです。
 この小さな命を救うことができるかもしれない。そのために今自分のお金が役立つ。それなら、と。
 リターンはなにもないですからね。経済的リターンはありません。ただその子供が命を得られればこれは最大の喜びでしょう。それで寄付が集まるということなんですね。

 でもね。今から10年前に、温暖化防止のために太陽光発電やるから寄付してと言っても、なんとなく太陽光発電自体あまりよくわかってない時代です、なかなか寄付が集まらなかったというのが現実です。

 

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 それが大きく変わるのが、この「おひさま進歩エネルギー」という会社がたちあがったということになるんですが、その大きな理由は飯田市から再委託された事業です。
 環境省の「環境と経済の好循環の街モデル事業」(まほろば事業)という、ちょっと長いんですが、つまり環境、温暖化防止、温室効果ガスを減らす事業をしながらも、それが経済的にもきちっと循環する、かつそれが街づくりにつながる、こんな事業でした。
 もちろん、当時の再生可能エネルギー、太陽光発電の電気の価値は、必ずしも高い訳ではありませんでした。したがって、補助することでそれを支えていこうというのがこの事業であります。
 これに、飯田市は環境文化都市として当然に手を挙げました。で、採択を受けました。
 その採択された大きな理由は、この市民共同発電をもう少し発展させて、寄付型ではなくて、いわゆる出資、ファンドを作って、基金をつくって推進していこうというところが採択された大きな原因だと私は思っています。
 ここにはですね、北海道で最初に市民風車が立ち上がった「はまかぜちゃん」でしたっけ?という市民風車が立ち上がったわけですが、その事例を参考にさせていただいて、市民出資という仕組みを取り入れていくというのがこの事業でした。

 いろいろな議論をしました。
 いろんな人が集まって、じゃあその会社はどうする。このおひさま進歩エネルギーという会社は(当時)ありませんでした。3ヵ月、4ヶ月議論したんですが、なかなか成案がねられなかったんですね。
 私どもNPOで、理事と相談して、このままだとこの事業はできなくなってしまう。
 行ったり来たりの議論でした。
 じゃあ自分たちで決断して、この事業を自分たちで担っていこう、つまり、リスクをしょって、民間会社としてやっていこうという決断を理事に呼びかけました。

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 いろんな意見が理事の間でありましたが、みなさんが承諾してくれて、NPOが中心になってできたのが、この「おひさま進歩エネルギー」という会社です。
 つまり、名前も、「おひさま進歩」までは一緒ですね。
 ということで、この会社を立ち上げて、事業の一端を担うということで進めていくことになりました。
 この中でちょっとふれておきたいのは、もちろん地域事業です。ですから地域の人の中には金融機関の方々、電力会社さん、ガス会社さん、あるいは証券会社さんいろんな方々が関わって検討したんですが、その中で、事業パートナーと書いてあるんですが、これは地域だけでは、飯田市のような小さなところではなかなかそういった知見がない。
 出資だとか金融商品ですね。あるいは自然エネルギーそのもの。当時は、こういうものに対する知見もかならずしも豊富ではない。そんな中で地域外のパートナーも大変重要な役割を担ってくれたということも、このときに学びました。
 地域外の知見も得て行かないと、地域だけでやるとなかなかうまく行かないということも知ったところであります。

 

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スライド12
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 どんな仕組みかというと、こちら側が、左側のほうですね。ファンドになります。
 「南信州おひさまファンド」と名付けました。
 出資の方法、金融商品ですね。A号が一口10万円で1500口、B号が一口50万円で103口、合わせて2億150万円の資金調達をしようということになりました。
 そしてそこで調達した資金と、もちろん国からの補助金があります。合わせてその資金で右側のCO2を減らす事業に投資をさせていただいた。
 環境に貢献する。これは一番大事なのはCO2を減らすことです。
 出来るだけ小さなエネルギーで一定の仕事をしてもらうということで、省エネルギーの事業。
 それから必要な事業は自然エネルギー、再生可能エネルギーで作り出すことでCO2を減らす、このときは太陽光発電という事業に投資をさせてもらいました。
 そしてこの2つの事業が、運用が開始されますと、新たな価値が生まれてきます
 その新たな価値というのは、省エネルギーでいうと、家庭と一緒で、コスト削減、太陽光発電で言えば、まさに電気が出来る新しい価値が生まれてくる。この新しい価値を現金に換える。現金に換えて、出資者の方にお返ししていこうと。それで経済的に出資者の方々はリターンがある。ひょっとすると少し利益もある、という仕組みにしてあります。
 つまり、市民のお金が、まず環境・エネルギー問題の解消に貢献した上で、少し時間はかかりますけれども、みなさんの手元に戻ってくる仕組みということであります。

 金融商品としての位置付けですが、A号は優先権がある。B号は劣後します。どういうことかというと、この事業で得られる現金を分配していく訳ですが、まずA号に分配します。
 A号の分配が終わるとB号に分配しますという考え方です。
 事業計画上はもちろん毎年A号、B号の方に分配できるようになっている訳ですが、何かトラブったときにですね、風車なら風車が止まってしまったってこともあるでしょう。 太陽光でも同じようなことが考えられますので、そのときは、まずA号が優先して分配を受けられますよということです。
 したがって、B号のほうがリスクが少し高いということになります。
 それともう一つ、事業としてやるわけですから、収益が生まれます。損益計算書ですね。 先ほどのキャッシュのほうはバランスシートですが、損益計算書のほうで収益がでます、あるいは損益がでます。
 収益が出た場合にはリスクの低い方のA号には2%を上限に利益を分配させていただきます。
 B号のほうは3.3%、つまりリスクが高い分利益の分配を多くしている、ということで優先劣後があるというのがこの特徴かと思います。

 

スライド13
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 太陽光ですと、こういう形ですね。
 出資金や保証金でですね、保育園・公民館といった飯田市が所有する建物の屋根に太陽光パネルを付けるということになります。
 そしてそこで生まれた電気を飯田市つまり保育園や公民館で使ってもらって、その代金をいただきますということです。
 生まれた電気はいったん全部買い取ってくださいよ、ということです。
 で、買い取った上で、IPS法で中部電力さんが買い取ってくれますので、買い取ってもらうようにするということであります。
 ですから、飯田市は、電力単価を、電力会社さんが売ったり買ったりしている価格とほぼ同じにすれば、飯田市のエネルギーコストは全然変わらないということになります。
 設置の段階でも、それからランニングというかエネルギーコストの段階でも、飯田市は全く負担がない。一銭もお金を出さなくてすみますよという仕組みでございます。
 その代わり太陽光発電でできた、自然エネルギーで出来た電気や熱には環境価値があるといわれていますので、その環境価値は、電気の価値としてしか渡してないですから、環境価値は渡してませんよ、と、グリーン電力証書という形にして売ることで、出資者の方々の分配の原資にしているという仕組みになっています。
 で、飯田市を中心にした行政、主として行政の建物に設置してきました。

 

(スライド1415
 大事にしたのは、やっぱり屋根ですからね。建物の耐震ですね。
 負荷に耐えられるかどうか、震災に耐えられるかどうか、それをまず一番大事にして調査しました。
 それと向き、屋根の向き、ちゃんと発電してくれるかどうか。
 もう一つは電力をどう受電するか。単価の問題です。電力単価は受電方法によって大きく違いますから。

スライド15
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 そうすると、狙ったとおり、小規模分散で、しかも市民の目に触れやすい場所に設置されていったということになります。

 これがパネルシアター。これが「さんぽちゃん」というゆるキャラ。
 「さんぽちゃん」、結構人気がありまして、子供たちは喜んでくれています。
 飯田市は、先ほど言ったようにお金を一銭も出さない。お金は出さないけど、大変なことをしてくれました。
(スライド16
 それがこの行政財産の目的外使用
 これは本当に、かなり大変なことなんです。

スライド16
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 つまり、保育園や公民館は、民間会社が太陽光発電で電気を売るために作った建物ではありません。子供の教育や社会教育という大きないろんな目的を持って作られている訳で、その屋根を民間会社に貸すわけです。
 再委託先とはいえ、それをですね、どう位置づけるか、大変な議論だったと思います。
 通常、行政財産の目的外使用というのは、一年ごとに契約を更新してですね、もちろん多年度に渡って使えるわけですが、契約の更新は一年ごと、年度ごとにしていくというのが、たいがい、行政の契約行為の主たるところだと思うんですね。
 ところが私どもの事業は、先ほど言ったA号が100年、B号が15年~20年お借りするという事業計画なんですが、そうすると最低20年お借りしないと、この事業は成り立たなくなってしまう、あるいは出資者のリスクになってしまうんですね。
 5年後10年後に首長さんが代わって、あるいは所管部署の人がみんな代わっちゃって、「そんなこととんでもない」と言われたときに、契約があれば、さすがに契約があるわけですから守ってくれるでしょうけれども、ということになると、その契約がなければ、出資者リスクです。
 ですから出資者の方々がこの事業を見たときに、もちろん地球温暖化防止になる、あるいは自然エネルギーの普及に役立つ、すばらしい事業なのはわかる。
 だけど、出来たばっかりの会社なんです。
 ほんとに大丈夫かよ?10年20年後大丈夫?
 しかも名前も、「おひさま進歩エネルギー」。あやしげな名前(笑)。
 今でこそ、なんとなくわかるようになってきましたが、あやしげな名前で、しかもファンド?あぶないのがいっぱいです。ということで、支持されるだろうかということです。
 ところが、それを大きく一つ、出資者の安心材料となったのがこれなんです。
 つまり、飯田市が、飯田市の屋根を20年間貸し続けるという契約してくれたんです。
 しかも、その電気は20年間買い取りますよと言ってるわけです。
 こんな安心できることはありません。さすがに飯田市が関わるわけですから、一定のチェック機能が働くはずということになると、出資する人は、事業の目的とかそういうことは理解出来た。
 会社がどうなるかというのは少し不安だけれども、でもそこはちゃんと飯田市もついてる。事業の継続は20年間大丈夫。こうなると出資してもいいのかな?と思ってくれるようになったと、いうふうに思います。
 これがまさに、屋根貸しの最初の一歩です。

 

(スライド17
 結果として、日本中の方々から出資をいただくことが出来ました。
 北海道は多いんですね。市民風車があったこと、あるいは、さっき言った北海道グリーンファンドさんの活動などが関係したのでしょうか。
 私も最初は、集まらなかったらどうしようと思ったわけです。
 市民出資、集まらない場合もあるわけです。
 どうしよう、どうしようって考えるのは金融機関ですよね。○○銀行さんも一緒に検討会に入っていた訳ですから、行きました。

スライド17
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 なんとかお願いします。集まらなかったら是非お願いしたいと言いました。
 ほんとに話はよく聞いてくれます。キャッシュフローも事業計画も全部見てくれるんですね。いろいろとご指示いただいたりしたんですけれども、返事はありませんでした。返事がないってことは、だめってことですね。
 だめなんですよ。決算書のない会社に金融機関お金貸したら、金融庁から怒られますから。どういう意図で貸したんだと。よほどの担保物件などあれば別ですけど。全くありませんでした。
 そんな中で思い切って募集したら、おかげさまで全額募集応じていただいて集まりました、3ヶ月足らずでした。

(スライド18
 さっき言ったように、お金を出す人の気持ち、私は「お金の見える化」と言っているんですが、つまり、自分のお金がどういう風に活きているのか、あるいは逆に、自分はどこにこのお金を使おうとしているのか、活かそうとするのか。このことだと思います。
 金融機関にお金を預けるって事は、実は安心安全です。だけども自分のお金であるにもかかわらず、自分の意志はありません。使うのは金融機関側に任されます。これ当たり前の話です。
 機関側はこれをきちんと慎重に融資するなどして使うんですね。それは機関側に任せてる。自分の意志ではないです。
 もう一つのお金の使われ方として、自分が思うところに使う。
 つまり、社会の課題っていっぱいあります。
 私たちは、エネルギーや環境の問題でこのお金を使わせていただいていますが、しかし社会の課題はそれだけではありません。
 高齢者社会にあっての医療、介護、少子化の問題、教育の問題、いっぱいあります。
 いっぱいある社会の課題を解決するには、どうしてもお金が必要です。
 自分のお金をそこに協力させてもらうか、あるいは自分が力になるのか、主体的にやっていこう・そういう意味では、こういう方法は、大きな、これからの一つの流れとして大いに期待できるものと思っております。
 「クローズアップ現代」というNHKの2008年の番組で取り上げてくれたときに、そのコメントをされた大学の先生が、「お金意識」つまり「自分の意識をお金に伝える、お金で伝える」という話をしておられました。

 

更なる展開へ「0円システム」・「メガさんぽプロジェクト」の構築

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 そういった事業を展開してきて、もちろん「まほろば事業」といわれる経済普及事業で、それを全うして、20年後に会社を終わらせる方法もひとつあります。
 ただ、モデル事業である以上は、その地域の中で利益を還元し、他地域への普及効果というのも重要な役割だというふうに思っていましたので、新たなファンドを募集して、次の事業展開に入っていきました。
  第2号の「温暖化防止おひさまファンド」、ここでは木質バイオマスのエネルギーで熱を作るということにも取り組みました。
 それから2009年に始まった余剰電力の買い取り制度、この制度を活かしつつ仕組みを作っていった。

スライド21
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 家庭に太陽光発電を普及させるために国が考えた制度を活かした仕組みということで「おひさま0円システム」というのを構築しました。


(スライド21
 これはどういうことかというと、その前にこれ(中日新聞記事)ですね。
 これは、そのときに協力してくれた飯田市と、飯田信用金庫さん、5,000万も融資してくれたんですが、そのときに記者会見をしたんです。
 メタボ3兄弟と飯田では言われていますけれども(笑)、どういうことかというと、太陽光発電って、好きな人は、あるいは趣味でやっている人は、もう入れてますね。

 

(スライド22

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 それがこう、だんだんと広がっていくという、どんなものでも普及活動です。
 もう一つ、太陽光発電なんて大反対と言う人がいます。いていいんです。いるのが正常な社会かなと思っています。
 ただそういう人は、どんな資料作っても、制度作っても、太陽光発電(設備)が付いてないと電気が供給されないと言われない限り、付けません。
 ですからその人たちはまた別として、付けてもいいけど、200万かあ、高いな150万・・・。
 う~ん、(100万200万)あるけど、これは来年息子が結婚する・娘が嫁に行く、あるいは進学する、あるいは、飯田はさっき言ったとおり交通の便がかなり悪いところです。車がないと生活が成りたたないんですね。ですから一家に2台3台と車があります。 それぞれに100万200万する。でも買う。それは必需品だからです。
 太陽光パネルは必需品じゃないんですね。そこがなかなか。

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 ということで、その障壁を取り除いてやったら入れてもいいよ、という人はたくさんいるだろう、という風に考えました。
 それで作ったのが0円システム、つまり、初期投資の段階ではお金を心配しなくていいですよ。その替わり電気の買い取り期間として10年間設定されていますが、その9年間の中で少し負担をしてもらって、太陽光発電を使って、その電気を使ってくださいということで作った仕組みであります。
 今までと同じように、屋根を借りて、お金はいっさい個人の方は出さなくていいですよ。
 屋根貸しとよく似ています。似ていますがちょっと違うのは全体のサービスなんですね。
 つまりうちは、電気という、そのものをサービスとして提供するわけなんです。

 値段を、一ヶ月いくらと決めた以上は、その電気が供給されなければならない。

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 太陽光発電(設備)の売り事業者であれば、いろんな事情で発電量が減っても、これはモノが壊れたという以外は保証しません。
 しかし私どもは、これをモニタリングして、きちんとその電気が供給されているかどうかをフォローしていかなければならない。
 つまり、三人でレストランに入って、ハンバーグとかなんでもいいんですけど、同じものをみんな頼んだときに、値段は一緒なんだけど、三者三様・大きいのが出たり小さいのがでたり、これはあり得ない。
 一定レベル以上のものは出てくる。
 大きいからといって文句をいう人はいない、小さいときに文句をいう人はいっぱいいますよね、ということです。
 だから、一定の発電をモニタリングしながら確保しなきゃならない、これを、9年間、この会社は担うと。
 つまり太陽光発電(設備)を付けた家は、電気そのものを使うということが主になりますから、そういう(設備メンテナンスなど)をあまり心配しなくていい。
 あるいは、本来、自分で買っていたら見過ごしていたトラブルも、きちっと発見してメンテナンスしてくれるということになります。
 それで、できるだけ省エネしてたくさん売れば、当時48円/kwhでしたから、がんばって省エネしようというのは当然であります。そんな仕組みでやってます。

 

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 そして去年の7月に出来た、再生可能エネルギー固定価格買取制度を契機に作った新たな仕組みがメガサポートです。
 それまでは家庭用の発電が中心だったのが、全体の太陽光発電普及のために新しい制度が出来たということでしたので、これを活かした仕組みをつくりました。

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 もちろん、一カ所に何千KW、何万KWという発電設備を作ってやる大きな会社がありますけれども、それも大事だと思いますが、私どもは地域に根ざして、まずは1,000KW、それも一カ所じゃないです。
 多くの地元の事業所、あるいは事務所に協力していただいて、屋根あるいは土地を提供してもらって、やっていこうということで、だいたい30~50KW程度のものを30カ所前後設置しようというプロジェクトを、昨年スタートさせました。
 これには市民出資と、もうひとつは地元の金融機関つまり地域のお金が地域で循環する、そんな仕組みにしていきたいということで、当初から地元の金融機関さんの融資もお願いして、了解を得た上でスタートしました。
 結果として出来たのがこれです。

 

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 950KW位が24年度に設置されて、つい最近、全部連系が終わりまして売電が開始されたと、そういう事になっています。
 もちろんこれは屋根をお借りしているわけですから、一定の屋根借り料をお支払いしています。
 しかしこの屋根借り料も定額ではありません。了解していただいて、発電量に基づいて払うと、つまり、関心持っててくださいよ、ということです。

 

まとめと新たな展開 ~ 再生可能エネルギーは地域のもの ~

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 今までに創立したファンドが、12億円程度の調達をしております。
 このお金が地域の再生可能エネルギーや省エネルギー事業に使われているということになります。
 それと補助金、あるいは融資もあります。
 約20億円を超える事業が、この地域の事業者の人たちに経済的効果をもたらしています。
 最初にこの事業を始めたとき、地元の太陽光発電(設備)の事業者から、ものすごいブーイングでした。
 でも、ちょっとたってみたら、「なんだこれ、俺たちの仕事作ってくれるのか」というふうにすぐに理解してくれます。つまり営業してくれている訳ですね。
 それが自分たちの仕事になっていくわけですから、今はほんとに良い関係になっています。

 

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 これが、今までの成果です。
 これも、私どもの組織、こんなスキームになってますよ、という図です。
 ここにあるように、会社、全部違います。
 ファンドごとに、全部会社違います。
 倒産管理という言葉がありますが、それぞれのファンドごとに影響し合わない、どっかのファンドに何かトラブルがあっても影響しない。つまり決算=ファンドの決算になる。 お金を一緒にしない、ごっちゃにしないとういうのが大きな特色でございます。
 もう一つは、ここに(スライド右側)「おひさまエネルギーファンド」という会社があります。
 これは、金融商品の取扱いが出来る「第2種金融取引業」という登録になり、資金調達ができる、そん な資格をもった会社も立ち上げたということです。

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 そして、もう一つの「見える化」が、「出資者のお金の見える化」です。
 もちろん金融取引業として、毎年決算をしてその成果を報告するのは当たり前、これは義務です。
 ただそれだけでは、私たち市民事業、地域事業としては十分じゃないということで、出資者のかたがたに本当に現場に来て見てもらう。
 どんな地域なのか、あるいは、どんな事業で成果をあげているのかというのを、見てもらうというのも取組としてやっています。

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 そして、飯田はこういう地域です。アルプスです。中央アルプスと南アルプスに囲まれた大きな谷です。
 3,000m級の山が連なっています。そこに降った雨や雪は確実に山にしみこみ、あるいは直接的かもしれませんが、その中央部に天竜川という遠州灘に流れていく川があります。
 この天竜川がだいたい300mくらいです。そこに向かって水が流れてくるわけですね。 つまり力を持っているわけです。その水の力を使う小水力発電や、山そのもののエネルギーを使う、地熱発電や温泉がありますからね。
 先ほど、ちょっと「エネルギーの宝庫」という言葉がでましたが、飯田は本当にそうなんです。エネルギ ーの宝庫です。
 そのエネルギーを使って、自分たちでエネルギーを作って、使う、あるいは、ひょっとすると自分たちで作ったエネルギーが、都市部に供給できるような時代が来るかもしれない。そういう社会を願って今、一歩一歩進んでいる。

 

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 そういったことで、やっぱり外から持ってきたエネルギーを使うよりも、地域にある、自分たちの使えるエネルギーを使っていく。南信州であれ、北海道であれ、まず地域、という考え方がある。
 しかし地域という考え方はいろんな考え方がありますね。世界の中の地域でも。
 そこからお金をだすのか。それともその地域の中で、日本のなかで20数兆円というお金を循環させて いくのか、どちらを選択して行くかです。
 短期的には、確かにエネルギーコストが上がるかもしれませんが、長期で見れば、確実に安定したエネルギー価格になるはずです。

 

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 で、飯田市は、もう一つ、すごいことをやりました。
 今年4月、条例を作っちゃいました。
 「再生可能エネルギーの導入による持続可能な地域づくりに関する条例」。
 一番最初に言った、自然エネルギー・再生可能エネルギーは誰のものなんですか?
 地域のものでしょ。そこに大手の方が来られて、その方が開発してもいいでしょう。
 しかし、その再生可能エネルギーは地域のものですよ。だから第一義に得られた価値はきちんと地域に循環するべきですよ、還元するべきですよということです。
 固定資産税や地代を払ったからって、それでいいということはない。
 そのことを、きちんと条例として、飯田市は謳いあげた。これはすごいことです。
 この間、前の前の環境省の事務次官の小林さんが、今、慶応大学にいらっしゃるんですが、飯田に来られて一緒に話したんですが、        
 「これをやりたかった。しかしなかなかできなかった。飯田市がこれをやってくれたことは私にとって最高の出来事だ」と言っていただきました。
 こんなことも始まっています。

 

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 いずれにしても私たちはこの3Sを目指していこうとしています。
 行動指針としては、エネルギーの地産地消、地域を自分たちの手で作っていこう。
 そして社会の流れを変えて、望む未来を選び取ろう、です。
 30年後、50年後のあるべきエネルギーの姿を見据えた上で、今自分たちが何をするべきか、何ができるのかを考えて取り組んでいきたいと思います。
 少し時間が過ぎましたが、以上です。ありがとうございました。